ココログニュース
9月17日最後のラーメン!南極基地食糧事情
【ココログニュース:2008.11.03 11:00】
長野県の高校生の発案で、今年12月に日本を出発する南極観測隊が、来年の夏(つまり南極の冬)に高野豆腐を屋外で作る実験を行うそうだ(日本学術会議地球惑星科学委員会と情報・システム研究機構国立極地研究所発表)。
実際に、2008年の越冬隊として現在南極の昭和基地で過酷な日々を過ごしているとりもっちさんによるブログ「越冬日和:とりもっちの南極通信」によると、そんな悠長な実験をやってていいのか?と疑問に思うほどせつない食糧事情である。以下は同ブログより抜粋。
・5月17日 最後のオレンジ。これから食材がだんだん減っていくのですね。
・6月28日 最後のキャベツ。そうだと気づかず、写真を撮り損ねた。
・7月2日 最後の生玉子。最後だと知ったのは後から。また、写真を取り損ねました。
・9月17日 最後のラーメン。「今日でラーメン最後です。」と、衝撃のお知らせ。
・10月21日 とうふ。尽きてきたので、ついに手作りが登場。添えてあるブロッコリースプラウトも昭和産。
「最後の…」と、次々と尽きていく食糧リストを読んでいると、まるで悲運のスコット隊の日記を読んでいるかのようである。任期途中の食糧補給など存在しない、孤立無援の南極昭和基地。12月にオーストラリアで積んだ食糧を、大事に大事に食べ継いでいって、翌年の越冬隊と交代するまで日々の任務に励むのだ。レタスやスプラウトも基地で栽培し、豆腐も手作り。
イラクを始め数々の戦場を取材した宮嶋茂樹カメラマンをして「私はこの4ケ月間で、普通に目覚め、普通に洗面し、普通に食事し、普通にクソをして、普通に床につくということが、いかに幸福であるかを悟った。」(書籍『不肖、宮嶋 南極観測隊ニ同行ス』紹介文より)と語らせるほど、過酷な南極勤務である。唯一の楽しみは、3度の食事。日曜喫茶があったり、節目にはフルコースディナーが奮発されたり、いろいろな工夫がなされているが、何でも手に入る日本での暮らしとは違って食糧が限られていることに変わりはない。来年の実験のために持ち込まれる豆腐は12丁あるそうだが、どうかおいしい高野豆腐になって越冬隊の日々の食卓に上ってほしい。実験の成功を祈るばかりである。
[越冬日和:とりもっちの南極通信、昭和基地NOW、国立極地研究所]
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<もちろん、楽しいことや美しい景色もあるようだ。とりもっちさんが撮影したオーロラの映像はこちら>
南極基地の越冬隊として勤務中のとりもっちさんより、美しいオーロラの映像が届いています。
こちらは9月19日のもの
そして8月20日
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